成果を出す展示会出展のポイント(4)展示会の選び方

展示会出展目的が明確化され、目標設定も行った後は、その目的を達成できる展示会を選ぶ必要があります。

日本国内では1年で数百もの展示会が開催されています。
数多くある展示会の中で、自社のターゲットとなる顧客が集まり、自社の商品・サービスを訴求できる展示会を選ぶことが大切です。

展示会選びのポイント

出展する展示会の選び方にはいくつかのポイントがあります。
基本的なポイントをご紹介します。

  • 展示会のテーマ・コンセプト
  • 展示会の実績
  • 来場者の属性
  • 開催時期
  • 開催場所
  • 出展費用

一つずつ見ていきましょう

展示会のテーマ・コンセプト

最も重要なのが、その展示会のテーマやコンセプトです。

展示会には、特定の業種向けや特定の部門・業務向け、特定技術など、様々な切り口のものがあります。
また複数のテーマの展示会が共同開催されている大規模なものもあります。

自社の出展目的に合致し、出展する商品・サービスを求める来場者が来る展示会を選ぶことが大切です。

例えば、勤怠管理システムを出展しようとした場合、IT系の展示会でもいいかもしれませんが、人事向けの展示会の方が求めるターゲット層にアプローチできるかもしれません。

展示会の実績

展示会主催者は前回の実績などを公表しているので確認しましょう。

来場者数やその属性を見ることは大切です。
出展社数や競合の出展状況なども確認しておきましょう。

ただ、来場者数が多ければいいのかというとそうとも限りません。
来場者数が多い展示会は、出展社数も多く、幅広いカテゴリーとなっているものが多いです。

来場者は様々なブースで様々な商品・サービスに触れるため、各出展会社の印象が薄くなります。
また、来場者の多くが貴社のターゲット層と違う場合もありえます。

名刺の数を集めるよりも、質を重視する場合などは、特化した小規模な展示会が有効な場合もあり得ます。

開催時期

展示会の開催時期も確認すべきところです。

自社の新商品発売のタイミングや、準備のために必要な期間、繁忙期など自社の状況に合わせた時期を選ぶ必要があります。
そして、ターゲット顧客が来場しやすい時期という観点も必要です。

天候などの要素も大きいです。
雨が降ったり天気が崩れると来場者数が減ることもあり得ますので、地域と季節も見ておいた方がよいかもしれません。

開催場所

大規模な展示会は東京や大阪など大都市圏で行われることが多いです。
自社の商圏が全国であれば東京などでの展示会が有効ですが、地域密着型企業であればその地域で開催される展示会を選ぶこととなります。

開催される会場や、そこへのアクセスも重要になってきます。

出展費用

展示会によって出展費用も大きく変わります。

小間数に合わせて金額は変わりますので、1小間にするのか、複数の小間にするかで費用も大きく変わります
そして出展料だけではなく、ブースの装飾や設備などの費用も掛かってきますのでトータルで考える必要があります。

自社の目標、効果と予算を考慮し、出展する展示会を決めることが重要です。

まとめ

出展する展示会を決めるには、テーマや実績、場所、費用など様々なことを考慮する必要があります。
そのためには、複数の展示会を対象に過去の展示会の実績を調査し、比較検討しましょう。

結局はどのような効果を狙うか、そして費用対効果を最大限にするにはどの展示会がいいかを考えることが大切です。
展示会に出展することが目的ではなく、その後の案件化や受注が目的です。
目的達成のために、展示会ではどのような目標設定が重要となってきます。

成果を出す展示会出展のポイント(5)コンセプトの明確化

成果を出す展示会出展のポイント(3)目標設定

展示会に出展し成果を出すためには目的の明確化が重要です。
展示会出展の目的は認知度アップという漠然としたものではなく、ターゲット顧客のリード情報(名刺情報)を取り受注繋げるという目的とすべきです。

このように展示会出展の目的を明確化した後は、目標設定を行います。
目標設定は、できるだけ具体的な数値を設定しましょう。

これまでに展示会出展の経験がある企業であれば、過去の数字を確認することも大切です。
ただし、前回は500枚名刺を獲得できたので今回は20%UPで600枚を目標にしよう、といった決め方はおすすめできません。

まず目標の受注金額を設定し、それを達成するには何枚名刺が必要か、というようにロジカルに目標を設定しましょう。

過去の展示会実績を確認しよう

適正な目標設定を行うためには、過去の実績を確認することが大切です。
展示会出展が初めての企業であれば、展示会以外でのリード(見込み客)獲得からの流れで考えても問題ありません。
あるいは、他社の事例などを参考にしてもよいでしょう。

確認すべき実績値

では、どのような実績、数値を見ればよいのでしょうか。
それはリード(見込み客)が購入するまでを各プロセスに分解し、次のプロセスに進む割合と売上単価です。

  • 名刺獲得数
  • アポ取得数(アポ取得率)
  • 見積提出数(案件化率)
  • 受注数(受注率)
  • 売上(単価)

例えば、以下のような結果が出たとします。
※()内は直前のプロセスに対する割合

  • 名刺獲得数:1000枚
  • アポ取得数:100社(10%)
  • 見積提出数:25社(25%)
  • 受注数:10社(40%)
  • 売上:2000万円(@200万円)

このように分解することで、名刺獲得から受注までの流れが見えてきます。

目標設定の考え方

では、今回は売上を3000万円に設定したとします。
その場合、名刺獲得数はいくつになるでしょうか?

単純に考えると、売上が1.5倍になっているので、名刺獲得数も1.5倍の1500枚に設定する、と思うかもしれません。
しかし、方法はそれだけではありません。

例えば、単価300万円の商材にするということができるかもしれません。
あるいはアポ率10%は低いから、15%にアップするという方法もあります。

それらを複合的に行うこともできます。
例えば、名刺獲得を20%UPの1200枚とし、アポ率を12.5%にすれば、アポ取得数は150社となります。
このように様々な方法で、売上3000万円を達成できる可能性はあるのです。

過去の実績、数値を確認する理由は、改善できるポイントを見つけ出すことです。
そして、改善するためのアイデアを出し、改善策を練るのです。

最終的な目標設定は、名刺獲得数だけではなくプロセスごとにも設定しましょう。

関係者と目標を共有する

上記のように各プロセスで目標設定を行うことをおすすめしますが、その目標が現実離れしていては意味がありません。

例えば、1小間のブースで要員は3人で1日500枚名刺を集めるというのは無理です。
あるいは、名刺をたくさん集めても営業リソースが足りず、フォローしきれなかったというのでは意味がありません。

関係者全員が共通の目的意識を持ち、目標を共有しましょう。

高い目標だけ設定して、やり方は従業員・部下が考えろではダメです。
一方的に目標設定するのではなく、人的リソースや当日の対応方法、フォローの仕方など、みんなでアイデアを出しあいながら目標達成に向かうことが大切です。

まとめ

展示会出展における目標は、展示会出展当日の名刺獲得数(リード数)だけではありません。
受注までの各プロセスで考えるべきです。

そしてより具体的な数字に落とし込み、関係者と共有しその目標を達成できるための計画、行動につなげましょう。

成果を出す展示会出展のポイント(4)展示会の選び方

リードジェネレーションとは?見込み客獲得の手法

BtoBビジネスはBtoCに比べ、顧客がその商品・サービスを購入するまでに時間がかかります。

たまたま道を歩いていたら看板を見て興味がわいたたので契約した、ということはまずあり得ないですよね。

BtoBで新規顧客を獲得するためには、いくつかの段階を経る必要があります。
まず潜在顧客を見込み客にし、そして顧客へと育てていくことが必要となります。

BtoBのマーケティング活動において、最初に実施するのは潜在顧客を見込み客にすることです。
このステップのことをリードジェネレーションと言います。
リードは「見込み客」のことです。

リードジェネレーションとは?

リードジェネレーションとは、簡単にいうと「見込み客獲得」のことです。

では、見込み客(リード)とは何かというと、「その商品・サービスに興味関心を持ち将来顧客になりうる人や企業」です。
そして、メールアドレスなどその見込み客(リード)と継続的にアプローチできる情報(名刺情報など)を得るための活動が、リードジェネレーションです。

なお、獲得した見込み客に対し、継続的にアプローチすることで関係を強化し、購買意識を高めるよう育成していくことをリードナーチャリングと言います。
リードナーチャリングについてはこちら

リードジェネレーションの手法

リードジェネレーションの手法にはさまざまのものがあります。
ここではアウトバウンド(プッシュ型)とインバウンド(プル型)に分けてご紹介します。

アウトバウンド(プッシュ型)のリードジェネレーション

企業側から潜在顧客に対して能動的にアプローチする手法です。
主な手法に以下のようなものがあります。

  • テレマーケティングによるアポ・情報取得
  • 展示会での名刺交換
  • セミナーへの申込み
  • ダイレクトメール(DM)による反応
  • 広告による反応

このように従来からBtoBではよく使われてきた手法が多いです。

インバウンド(プル型)のリードジェネレーション

こちらはWebサイトやブログ、SNSなどで有益な情報を発信し、潜在顧客に見つけてもらい情報を入力してもらうものです。
Webサイトへの集客力を上げることが重要となってきます。
情報入力してもらう方法は以下のようなものです。

  • Webサイトからの問い合わせ
  • 資料のダウンロード
  • ホワイトペーパーのダウンロード
  • メルマガの登録

このように顧客側からアクションしてもらうため、アウトバウンドよりもホットな見込み客(リード)を獲得しやすいと言えます。

インバウンドとアウトバウンドの組み合わせが大切

多くの企業では、インバウンドとアウトバウンドのどちらも大切です。

現代ではWebサイトを活用したインバウンドマーケティングの重要性が増してきているのは事実ですが、アウトバウンドマーケティングも重要なマーケティング活動です。
特にWebサイトの集客力が弱い、ノウハウがない企業にとっては、インバウンドだけではなく、アウトバウンドも組み合わせたリードジェネレーションが有効です。

インバウンドマーケティングは、費用をかけずにホットなリードを獲得しやすいです。
しかし、結果を出すためには、そのためには有益な情報(コンテンツ)を発信し、SEO対策等で検索上位に表示されて見つけやすくし、情報を入力してもらえるような仕掛けも必要となります。
そのため継続的に施策を打ち、長い目で見る必要があります。

一方のアウトバウンドマーケティングでは、比較的短期間で結果を出しやすいです。
ただし、費用が掛かることと、反応率が悪い、リードの質が悪いということもあり得ます。
また、押し売りのようなことをするのではなく、きちんと顧客に対して価値を提案し、関係を築くことが大切です。

このようにインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングはどちらがよいというものではありません。
企業の状況に合わせ、様々な施策を組み合わせることが大切なのです。