成果を出す展示会出展のポイント (6)ブースの装飾・パネル

展示会出展で成果を出すためには、ブースやパネル、チラシといった制作物も大切です。
展示会に出展する場合は、以下のようなものを用意しなければなりません。

  • ブース装飾
  • パネル
  • カタログ・チラシ
  • デモ機材
  • デモシナリオ
  • デモ映像
  • モニター
  • ノベルティ
  • アンケート
  • ユニフォーム

この中で最も重要なものが、ブースの装飾・パネル製作です。

展示ブース

展示ブースをどうするかは集客効果にも大きく影響しますし、費用的にも額が大きいです。

展示会主催者側が用意している基本ブースであれば費用は抑えられますが、あまり目立てません。
ブース装飾会社や広告代理店などのプロに外注すると、集客力のあるブースを作ることは可能ですがその分費用はかかります。

また、出展する商品の特性や、ブースの場所などによってもどのような装飾、パネルを制作すべきかも変わってきます。
自社の商品特性、目標、予算、ブース位置などを検討し、集客力の高い展示ブースとしましょう。

効果的な展示ブースにするためのポイントをご紹介ます。

目に留まり分かりやすく

まず大切なのは来場者の目に留まり、一目でそのブースが何を展示しているかが分かるようにすることです。
そして、パッと見ただけで興味関心を引き、足を止めてもらうことが大切なのです。

展示会では多くの企業が出展しています。
来場者は多くのブースを眺めながら、自分にとって興味のあるがあるかを探しています。
パッと見て興味をひかなければ、すぐに別のブースに目が移り、そのまま去って行ってしまうものなのです。

簡潔で分かりやすいキャッチコピー

キャッチコピーは機能の説明ではなく、誰にとってどのようなメリットがあるかを訴求しましょう。

目につき、分かりやすく、メリットがわかるパネルやサイン、商品陳列を心がけましょう。

見る人にとってのメリットを分かりやすく伝えるというのは、ブースの装飾やパネルに限ったことではなく、配るチラシやスタッフの声掛けにも共通したものとなります。
顧客目線、来場者目線でのわかりやすいキャッチコピーにすることはとても大切です。

開放感のあるブースに

ブースの入り口がスタンドでふさがれていたり、あるいはスタッフ並んで壁を作ってしまっていすると、来場者はそのブースに近づきにくい、入りにくいと感じてしまいます。

せっかくパネルなどが目に留まって少し立ち止まったとしても、そのまま立ち去ってしまいます。
立ち止まった後、ブースに近づいてもある、ブース内に入って来てもらうことも重要です。

そのようにブースに近づいてきた人は、興味を持った人です。
声をかけやすく、説明を聞いてくれ、名刺交換もしやすいはずの人なのです。

ブースの解放感がなく、近づきがたい印象を与えてしまうと、せっかく興味関心をもってもらった見込み顧客が去って行ってしまうのです。

パネルや商品陳列棚に、来場者が気軽に近づける作りにすることもとても大切なのです。

ブース装飾の会社を選ぶには

展示会主催者の基本ブースではなく、独自のブースにしたいのであればどの装飾会社に頼むかも重要です。

では、どのように選ぶべきかというと、まずは複数の会社に声をかけましょう。
そして、展示会の目的やターゲット、展示する商材について説明すれば、提案をしてくれるはずです。
複数のパターンの装飾も提示してくれるでしょう。

また、費用についても明確に提示してくれるはずです。
なんとなく、その会社に任せるのではなく、しっかりと比較検討しましょう。

まとめ

出展ブースは人の目を留め、興味を引き、近づいてもらえる作りにすることがとても重要です。

予算によるところもありますが、ターゲットとなる来場者に対して、分かりやすくメリットを伝えることがとても大切です。
来場者の立場で考え、どのようなパネルやサインが目を引くか、そして興味関心を持つかを考えたキャッチコピーを考えましょう。
そして、開放感を演出し、気軽に立ち寄れる演出をすることで、有効な見込み客(リード)を見つけることができるようになるのです。

成果を出す展示会出展のポイント(7)スタッフとの意識共有

成果を出す展示会出展のポイント(5)コンセプトの明確化

展示会で成果を出すためには、コンセプトを明確にすることが大切です。

ついせっかくの機会だからと、自社の商品をあれこれ陳列してしまう企業も多くあります。
しかし、このようなコンビニ型陳列では、失敗する可能性が高いです。

なぜならばコンセプトが明確でなければ、出展内容がぼやけてしまうからです。
一貫性がなく何を紹介しているブースなのかがわからなくなってしまう危険性があります。
結果として、来場者の記憶にも残らなくなってしまいます。

展示会ではしっかりとコンセプトを決め、そのコンセプトに沿った展示内容としましょう。
展示会出展のコンセプトを決める際は、「誰に」「何を」「どのように伝えるか」を考えましょう。

それぞれについて解説していきます。

展示会に出展する商材

まず決めなければならないのは、何を出展するかです。

せっかく展示会に終点するのなら、自社の商材をあれもこれもといろいろ出展したくなるかもしれません。
しかし、基本的には一つのメイン商材に絞るべきです。

なぜかというと、あれもこれも出展してしまうと、コンセプトがぶれてしまうからです。
コンセプトがぶれてしまうと、発信する情報が分散し、何のブースなのかが分からなくなってしまいます。
結果として、来場者の興味を惹けず、印象にも残らなくなってしまうのです。

まずメイン商材を決め、それをアピールすることを最優先に考えましょう。

ターゲティング

メイン商材が決まれば、次はターゲティング(ターゲットを決めること)が大切です。

ターゲットを絞ると顧客が減ってしまう、と心配されるかもしれません。
しかし、逆にターゲットを絞らず万人受けを狙うと、顧客は減ってしまう可能性が高いのです。

それは、なぜかというと現代では物も情報も溢れており、顧客のニーズ・課題も多様化しています。
「万人受け」を狙ったものは、結局ポイントがぼやけてしまいます。
そして、ターゲットを絞って専門化した競合に負ける可能性が高くなってしまうのです。

※詳細はこちらを⇒「なぜターゲット絞る方が顧客数が増えるのか」

特に展示会では競合他社も多く出展しています。
その中で来場者に対して、いかに分かりやすくアピールかが重要なのです。
そのためには「誰に」「何を」提供するかをわかりやすく表現する必よぐああるのです。

メッセージ(キャッチコピー)

商材とターゲットが決まれば、次はメッセージ(キャッチコピー)を決めることが大切です。

どんないい商品・サービスであったとしても、それがターゲット層に対してどれほどメリットがあるものだとしても、それを伝えられなければ意味がありません。

人間はわからないものは買わないのです。
貴社の商品・サービスが素晴らしく、役に立つものであるのであれば、そのことを伝えなければなりません。

そして多くの協業企業が出展している展示会では、どのような悩みを持っている企業にとってどのように役に立つのかをわかりやすく説明しなければならないのです。
そのために、キャッチコピーというのは大切です。

「誰に」とって、「どのようなメリット」があるかを分かりやすく表現しましょう。
一言でわかりやすいキャッチコピーを作りましょう。

そして、そのキャッチコピーをパネルに書くのはもちろん、チラシやスタッフの掛け声でも訴えかけるのです。
そうすることで、そのブースは何を展示しているのかが分かりやすくなります。

分かりやすいキャッチコピーで来場者にアピールしてください。
そうすれば、それを求めている来場者(見込み客:リード)にそのメッセージは届きます。

展示会に出展するのであれば、まずは来場者の興味を惹かなければ意味がないのです。
目に留まり、耳に留まれば、来場者は立ち止まって興味を持ちます。

興味を持ってもらい、商材の良さを簡潔の伝えることで、次のアポイントに繋がるのです。
まずは興味を持ってもらわなければいけません。
万人受けの言葉ではなく、「あなたにこのようなメリットがあるんです!」と分かりやすく来場者に伝えると興味を持ってもらえる、濃い見込み客(リード)を獲得することができるはずです。

まとめ

展示会出展では、ブースのコンセプトを決めることが大切です。

  • 誰に(ターゲット)
  • 何を(出展商材とそのメリット)
  • どのように伝えるか(分かりやすいキャッチコピー)

これらを意識して、コンセプトを明確化し、スタッフと共有することが大切です。

成果を出す展示会出展のポイント (6)ブースの装飾・パネル

成果を出す展示会出展のポイント(4)展示会の選び方

展示会出展目的が明確化され、目標設定も行った後は、その目的を達成できる展示会を選ぶ必要があります。

日本国内では1年で数百もの展示会が開催されています。
数多くある展示会の中で、自社のターゲットとなる顧客が集まり、自社の商品・サービスを訴求できる展示会を選ぶことが大切です。

展示会選びのポイント

出展する展示会の選び方にはいくつかのポイントがあります。
基本的なポイントをご紹介します。

  • 展示会のテーマ・コンセプト
  • 展示会の実績
  • 来場者の属性
  • 開催時期
  • 開催場所
  • 出展費用

一つずつ見ていきましょう

展示会のテーマ・コンセプト

最も重要なのが、その展示会のテーマやコンセプトです。

展示会には、特定の業種向けや特定の部門・業務向け、特定技術など、様々な切り口のものがあります。
また複数のテーマの展示会が共同開催されている大規模なものもあります。

自社の出展目的に合致し、出展する商品・サービスを求める来場者が来る展示会を選ぶことが大切です。

例えば、勤怠管理システムを出展しようとした場合、IT系の展示会でもいいかもしれませんが、人事向けの展示会の方が求めるターゲット層にアプローチできるかもしれません。

展示会の実績

展示会主催者は前回の実績などを公表しているので確認しましょう。

来場者数やその属性を見ることは大切です。
出展社数や競合の出展状況なども確認しておきましょう。

ただ、来場者数が多ければいいのかというとそうとも限りません。
来場者数が多い展示会は、出展社数も多く、幅広いカテゴリーとなっているものが多いです。

来場者は様々なブースで様々な商品・サービスに触れるため、各出展会社の印象が薄くなります。
また、来場者の多くが貴社のターゲット層と違う場合もありえます。

名刺の数を集めるよりも、質を重視する場合などは、特化した小規模な展示会が有効な場合もあり得ます。

開催時期

展示会の開催時期も確認すべきところです。

自社の新商品発売のタイミングや、準備のために必要な期間、繁忙期など自社の状況に合わせた時期を選ぶ必要があります。
そして、ターゲット顧客が来場しやすい時期という観点も必要です。

天候などの要素も大きいです。
雨が降ったり天気が崩れると来場者数が減ることもあり得ますので、地域と季節も見ておいた方がよいかもしれません。

開催場所

大規模な展示会は東京や大阪など大都市圏で行われることが多いです。
自社の商圏が全国であれば東京などでの展示会が有効ですが、地域密着型企業であればその地域で開催される展示会を選ぶこととなります。

開催される会場や、そこへのアクセスも重要になってきます。

出展費用

展示会によって出展費用も大きく変わります。

小間数に合わせて金額は変わりますので、1小間にするのか、複数の小間にするかで費用も大きく変わります
そして出展料だけではなく、ブースの装飾や設備などの費用も掛かってきますのでトータルで考える必要があります。

自社の目標、効果と予算を考慮し、出展する展示会を決めることが重要です。

まとめ

出展する展示会を決めるには、テーマや実績、場所、費用など様々なことを考慮する必要があります。
そのためには、複数の展示会を対象に過去の展示会の実績を調査し、比較検討しましょう。

結局はどのような効果を狙うか、そして費用対効果を最大限にするにはどの展示会がいいかを考えることが大切です。
展示会に出展することが目的ではなく、その後の案件化や受注が目的です。
目的達成のために、展示会ではどのような目標設定が重要となってきます。

成果を出す展示会出展のポイント(5)コンセプトの明確化

成果を出す展示会出展のポイント(3)目標設定

展示会に出展し成果を出すためには目的の明確化が重要です。
展示会出展の目的は認知度アップという漠然としたものではなく、ターゲット顧客のリード情報(名刺情報)を取り受注繋げるという目的とすべきです。

このように展示会出展の目的を明確化した後は、目標設定を行います。
目標設定は、できるだけ具体的な数値を設定しましょう。

これまでに展示会出展の経験がある企業であれば、過去の数字を確認することも大切です。
ただし、前回は500枚名刺を獲得できたので今回は20%UPで600枚を目標にしよう、といった決め方はおすすめできません。

まず目標の受注金額を設定し、それを達成するには何枚名刺が必要か、というようにロジカルに目標を設定しましょう。

過去の展示会実績を確認しよう

適正な目標設定を行うためには、過去の実績を確認することが大切です。
展示会出展が初めての企業であれば、展示会以外でのリード(見込み客)獲得からの流れで考えても問題ありません。
あるいは、他社の事例などを参考にしてもよいでしょう。

確認すべき実績値

では、どのような実績、数値を見ればよいのでしょうか。
それはリード(見込み客)が購入するまでを各プロセスに分解し、次のプロセスに進む割合と売上単価です。

  • 名刺獲得数
  • アポ取得数(アポ取得率)
  • 見積提出数(案件化率)
  • 受注数(受注率)
  • 売上(単価)

例えば、以下のような結果が出たとします。
※()内は直前のプロセスに対する割合

  • 名刺獲得数:1000枚
  • アポ取得数:100社(10%)
  • 見積提出数:25社(25%)
  • 受注数:10社(40%)
  • 売上:2000万円(@200万円)

このように分解することで、名刺獲得から受注までの流れが見えてきます。

目標設定の考え方

では、今回は売上を3000万円に設定したとします。
その場合、名刺獲得数はいくつになるでしょうか?

単純に考えると、売上が1.5倍になっているので、名刺獲得数も1.5倍の1500枚に設定する、と思うかもしれません。
しかし、方法はそれだけではありません。

例えば、単価300万円の商材にするということができるかもしれません。
あるいはアポ率10%は低いから、15%にアップするという方法もあります。

それらを複合的に行うこともできます。
例えば、名刺獲得を20%UPの1200枚とし、アポ率を12.5%にすれば、アポ取得数は150社となります。
このように様々な方法で、売上3000万円を達成できる可能性はあるのです。

過去の実績、数値を確認する理由は、改善できるポイントを見つけ出すことです。
そして、改善するためのアイデアを出し、改善策を練るのです。

最終的な目標設定は、名刺獲得数だけではなくプロセスごとにも設定しましょう。

関係者と目標を共有する

上記のように各プロセスで目標設定を行うことをおすすめしますが、その目標が現実離れしていては意味がありません。

例えば、1小間のブースで要員は3人で1日500枚名刺を集めるというのは無理です。
あるいは、名刺をたくさん集めても営業リソースが足りず、フォローしきれなかったというのでは意味がありません。

関係者全員が共通の目的意識を持ち、目標を共有しましょう。

高い目標だけ設定して、やり方は従業員・部下が考えろではダメです。
一方的に目標設定するのではなく、人的リソースや当日の対応方法、フォローの仕方など、みんなでアイデアを出しあいながら目標達成に向かうことが大切です。

まとめ

展示会出展における目標は、展示会出展当日の名刺獲得数(リード数)だけではありません。
受注までの各プロセスで考えるべきです。

そしてより具体的な数字に落とし込み、関係者と共有しその目標を達成できるための計画、行動につなげましょう。

成果を出す展示会出展のポイント(4)展示会の選び方