成果を出す展示会出展のポイント(2)出展目的の明確化

展示会になぜ出展するのでしょうか?

BtoB企業が見込み客(リード)を獲得するための活動のことをリードジェネレーションと言います。
リードジェネレーションには、Webサイトからの問い合わせやテレアポなどいろいろとありますが、展示会出展もその一つです。

しかしながら、展示会出展はそれなりにコストがかかります。
そして、やり方を間違えてしまうと、全く効果が出なくなってしまう危険性もあります。

ここでは中小企業が展示会出展で失敗しないためノウハウをご紹介しています。
今回は出展目的の明確化についてお伝えします。

認知度向上か?リード獲得か?

展示会出展の目的としては大きく分けると2つになります。

「自社もしくは商品・サービスの認知度を高めること」と「見込み客(リード)を獲得すること」です。

ここではっきりと言いますが、中小企業が展示会に出展する際には、認知度向上を目的とすべきではありません。
なぜなら、認知度向上、イメージアップというような漠然とした目的では、効果測定ができないからです。
効果測定ができなければ、その展示会出展が成功だったか失敗だったかも判断できません。
そして、次のアクションや次回出展への改善事項も分からないのです。
その結果、展示会出展したという事実だけで満足してしまい、成果に繋がらなくなってしまいます。

展示会に出展する最終的な目的は売上拡大です。
そのための第一段階としてリード情報獲得(リードジェネレーション)があり、展示会はまさにそのための場です。

リード(見込み客)獲得⇒フォロー(リードナーチャリング)⇒案件化⇒新規顧客獲得⇒リピート購入という売上拡大のための最初の一歩と位置付けるべきです。

したがって、見込み客(リード)を獲得することを目的としましょう。

もちろん展示会のその場で案件化、さらには契約まで行ければベストです。
しかし、BtoBでは購買までのプロセスに時間がかかるケースが多いため、メインの目的は見込み客(リード)獲得に設定したほうがよいです。
そして事前予約や会話が盛り上がった時はその場で案件化する、アポを取得するという形がよいと思います。

求める見込み客(リード)は誰か?

見込み客(リード)を獲得することを目的とすべきだとお話ししましたが、ではどんな人の名刺でもいいのかというとそうではありません。

単純に名刺枚数だけを稼ごうとするのであれば、魅力的なノベルティなどを活用して集めることはできます。
しかし、無理やり名刺を集めた場合、大部分は貴社の商品・サービスにまったく興味を持っておらず結局受注につながらないということも起こり得ます。
その場合は、展示会出展のコストだけでなく、フォローのためのコストも無駄になってしまうこともあり得ます。

展示会はテーマが決まっているためその分野に興味がある人たちが集まりますが、そのテーマの範囲が広いため、むやみやたらと名刺を集めればいいというものでもないのです。
多少なりとも商品・サービスに興味を持ってくれ、将来顧客になる可能性がある人の名刺を獲得する必要があるのです。

どのような人の名刺情報が欲しいのかを明確化しておきましょう。
つまり、展示会で収集すべきターゲット顧客というのをある程度想定しておく必要があります。
そのターゲット顧客に訴求できるようなブースの装飾、チラシ、説明などを心がけることで、自分たちが求めているリード情報を集めることが可能となってきます。

では、どのような人をターゲットとすべきかというと、それは目標売上や商材、かけられるコスト、フォロー体制などによって変わってきます。
絞りすぎれば絶対数が少なくなり、広すぎると無駄な名刺が増えてフォロー効率が下がることにもなりかねません。

まとめ

展示会出展の最終的な目的は売上拡大です。
そのためには認知度向上のためではなく、目的ターゲット顧客のリード情報(名刺情報)を獲得することを目的とすべきです。

そして、展示会リード情報を得るだけで終わりではなく、そこから案件化、受注することまでを含めて計画を立て、目標を設定しましょう。

成果を出す展示会出展のポイント(3)目標設定

成果を出す展示会出展のポイント(1)展示会の流れ

BtoB企業がリード(見込み客)を獲得するための活動のことをリードジェネレーションと言います。
リードジェネレーションには、Webサイトからの問い合わせやテレアポなどいろいろとありますが、展示会出展もその一つです。

展示会は、様々なジャンルや規模のものが数多く開催されています。
東京ビッグサイトなどで実施される大型の展示会では、数万人~数十万人が来場するような規模ものもあります。

そのような展示会に出展することで、自社の商品・サービスを紹介し、リード情報(名刺)を獲得することが可能です。
実際に私自身もIT系ベンチャー企業で、展示会出展を何度も経験してきました。

知名度の全くない企業でも数百枚の名刺を獲得することができました。
また、複数のパートナー企業と共同出展し、全部で3000枚の名刺を獲得したこともあります。

このように展示会出展は、リードを獲得するための有効な手段です。
しかしながら、展示会出展はそれなりにコストがかかります。
そして、やり方を間違えてしまうと、全く効果が出なくなってしまう危険性もあります。

ここでは中小企業が展示会出展で失敗しないために、今回は展示会の準備からフォローまでの大きな流れを把握しましょう。
詳細は別のコラムでお伝えします。

目的を明確化する

展示会出展の目的は何でしょうか?
これがまず出発点です。

目的をはっきりとさせておかなければ、失敗に終わってしまいます。
なぜなら目的に向かって、展示会を選び、準備をし、当日の対応を行い、フォローをするからです。
その目的が間違ってしまうと、全てが狂ってしまいます。

基本的には認知度向上よりも、受注につながるリード獲得(名刺獲得)を展示会の目的としたほうがよいです。
展示会出展は、あくまでも商品・サービスを顧客に提供するための手段と認識しましょう。

出展する展示会を選ぶ

目的が決まれば、それに合った展示会を選びましょう。

日程や金額、展示会場、ジャンルだけではなく、前回の来場者数や出展社の顔ぶれなども含めて検討するのがよいです。
同一ジャンルでも、1年に複数の展示会が実施されています。
できれば複数の展示会を検討し、予算と期待される効果を比較してみましょう。

制作・準備

出展が決まれば準備です。

展示会に出展する場合には様々な準備が必要となります。
出展する商品・サービスの選定、ブースの装飾、パネル制作、チラシ制作、ノベルティの手配、デモの準備、マニュアル作成、人員の配置・教育、アンケートなど、漏れがないように準備しましょう。

制作物は来場者のの目を引き、興味関心を持ってもらえるように、分かりやすく価値を伝えられるものとしましょう。

集客を行う

基本的には展示会運営会社が集客をしてくれますが、自社でも集客を行いましょう。

既存のリードで個別のアポは取れなくても、展示会に来てくれる可能性があります。
展示会は新規のリードを獲得することが主目的ですが、既存リードとの関係強化にも使えます。

Webサイトでの告知やメール配信、無料招待券の配布などを行いましょう。

搬入・ブース確認

一般的に前日に搬入作業を行います。

そこでブースの最終的な設営や確認を行いましょう。

パネルやチラシ、そして名刺入れなどの小物など、足りない物はないかを確認します。
また、インターネットを利用する場合は、接続がうまくいくかなども確認しましょう。

そして自社ブースの周りにどのような会社が展示しているか、そのブースの作りはどうかも確認しておきましょう

当日の運営

当日はいかに来場者に認知してもらい、興味を持ってもらえるかが重要です。

実際に展示会が始まると、事前に想定していたこと違うことも起こってきます。
来場者の導線が想像と違うことや、デモがうまくいかない、あるいは人が来すぎて対応が間に合わないなどが起こるかもしれません。

状況に合わせてブースでの人員の配置や声のかけ方、商品説明、名刺交換など工夫をしていきましょう。

展示会後のフォロー

展示会を終えると、仕事が終わった気分になるかもしれませんが、本当に重要なのはフォローです。

いくら名刺が集まったとしても、そこからフォローを行わなければ受注も取れず、結果として展示会出展費用が無駄となってしまいます。
なるべく早くサンクスメールの配信、電話によるフォロー、アポイントの取得などを行いましょう。

そして、リストを管理しそれぞれのフォロー状況を確認し、継続的なフォロー(リードナーチャリング)を行い、成果を出せるようにしましょう。

まとめ

展示会を出すことが目的ではありません。

そこからいかにして売り上げにつなげるかが重要です。
展示会出展の流れを把握し、効果を最大限にできるように準備からフォローまで行いましょう。

それぞれの詳細なポイントについては、別でご紹介します。

成果を出す展示会出展のポイント(2)出展目的の明確化

リードナーチャリングのためのツール

現代のBtoB企業におけるマーケティングでは、リードナーチャリング(見込み客育成)という考え方が重要となっています。

効果的なリードナーチャリングを行うためには、IT技術やツールを利用すべきです。
人では時間・コストがかかることも、ツールを使うことで短時間で効率よく実施できます。

リードナーチャリングに必要なものをいくつかご紹介します。

顧客管理・リード管理DB(CRM)

顧客への継続的なアプローチを行うためには、顧客管理・リード管理DBが必須です。
一般的にはCRM(Customer Relationship Management :顧客関係管理)とも呼ばれます。

顧客の企業名や氏名、メールアドレス、TEL番号などの名刺情報とともに、今までのコンタクト履歴や行動履歴を管理します。
そして、決められた切り口により顧客をグループ化することができるようになり、そのグループに対して適切な行動をとることができるようになります。

リードナーチャリングにおいては、顧客をグループに分類することがとても重要です。
では、どう分類するかというと、これは企業ごとに考えなければいけません。

過去の購買プロセスを分析し、どういうアクションを起こしたリードが購買に繋がりやすいかなどを見極めることが大切です。
そして、そのアクションをどうやれば起こさせることができるかを考え、アプローチすることで効果的なリードナーチャリングが実施できます。
なかなか自社の中だけでは分析ができない場合は、CRMを提供しているベンダーや専門のコンサルタントなどの外部の力を借りることも重要です。

メール配信システム

リードナーチャリングを効率的に行うには、メール配信は欠かせません。
メールだけでよいというわけではないのですが、やはり効率的にアプローチするにはメール配信やメルマガが有効です。

また、どのリード(見込み客)がメールを開封したか、リンクをクリックしたかなどを計測できるものもあります。
そのようなアクションを見ることでリードの状況を把握できるとともに、どのようなメールがより開封されやすく、クリックされやすいかを分析することができます。

少なくともURLリンクのクリック数に関しては、Google Analyticsのような無料ツールでも計測可能なので、対応されることをおすすめします。
ただし、個々のリードのクリック状況を計測しようとすると、Google Analyticsでは運用がたいへんなので、専用ツールを導入したほうがよいです。

なお、メール配信での注意点としては、そのメールの内容が単なる売り込みになってはいけないということです。
単なる売込みメールは、受け取る側にすると迷惑メールとかわらなくなる危険性があります。
リードにとって役に立つ情報を発信することで、信頼関係を高め、商品・サービスの良さを感じてもらうようにすることが重要なのです。

Webサイトのアクセス解析

Webサイトのアクセス履歴や行動履歴は重要な情報です。
Google Analyticsのような無料ツールでは、個々の動きを見ることは難しいですが、少なくともどのページが見られているか、どのページから申込みに至るケースが多いかなど、Webサイトの全体的な動きを把握することが可能です。

そして、Webサイトの改善ポイントなどを見つけて、改善することでよりリード(見込顧客)に対して有益な情報提供が可能となります。

また、専用のツールを導入することで個々のリードの動きを把握することも可能となります。
そして自動的に顧客をグループに分類し、次の適切なアプローチへと繋げることもできます。
例えば、「このリードは料金表まで見ているからホットなリードに違いない。アポを取ろうう」というようなことが可能となります。

マーケティングオートメーション(MA)

IT技術は進化しており、このようなリードナーチャリングの仕組みを統合的に利用できるツールも出てきています。

それはマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれるものです。

マーケティングオートメーションとは、個々のリードの行動履歴や状況に合わせて、どのようなタイミングで・どのような内容を・どのような方法でアプローチするかを個別にあらかじめシナリオ化し、その対応の実行を自動化する仕組みです。
マーケティングオートメーションの主な機能は以下のようなものです。

  • リード情報管理
  • リードの行動履歴の蓄積
  • 行動履歴にもとづいたリードのセグメント化(グループ分け)
  • シナリオ化によるセグメントにあわせたキャンペーン活動(メール配信など)の自動化
  • キャンペーン活動の結果分析

しかし、マーケティングオートメーションはあくまでもツールでしかありません。
このツールを有効に活用できるかは、どのようにリードをグループ分けするか、シナリオをうまく作成できるか、そして結果にもとづいたPDCAサイクルを回せるかがキーになってきます。

まとめ

ここでご紹介したどのツールも、あくまでもツールでしかありません。
ツールを入れて満足するのではなく、結果に繋げなければ意味がありません。

リードナーチャリングをいかに効率的に効果的に行い、売上増加に繋げるかは、マーケティング戦略が大切です。

どのような顧客をターゲットにするか、そのためにはどこでどのようにリード情報を集めるか、そのリードをどうセグメント化するか、そしてそのセグメントにどのような情報を発信していくか、そして何よりどのような価値を提供するかなど、一貫性のある戦略・戦術をたてることがとても重要です。

もちろんいきなり完璧にこなすことはできません。
PDCAを回し、改善を繰り返しながら実績に繋げることが大切です。

リードナーチャリング(見込み客育成)とは?

BtoBのマーケティング活動において、リードナーチャリングという言葉がよく聞かれるようになってきました。
リードナーチャリングとは何かというと、日本語では「見込み客育成」と呼ばれます。

BtoBのビジネスでは商品・サービスを知ってもらったからと言って、すぐに買ってもらえるわけではありません。

それは一般消費者向けと比べて価格が高額となるとともに、複数の部門や意志決定者が関係してくるためです。
担当者が「これはいいな」と思っても、その上司の了解を得て、他部署との調整を行い、競合他社と比較し、稟議を上げ、予算取りを行い、購入する、というような長期にわたった複雑なプロセスを経る必要があります。

そのため、自社の商品・サービスへ問い合わせはあったものの、すぐに購入には至らないケースが大半です。
問い合わせがあった、あるいは展示会で名刺交換したリード(見込み客)の情報を管理し、継続的にアプローチし、信頼関係を強化し、将来の顧客へと育成することが大切になってきます。

このような見込み客の育成のことを「リードナーチャリング」といいます。
そしてこの「リードナーチャリング」の重要性が増してきているのです。

リードナーチャリングの重要性

BtoBのマーケティングにおいては、Webサイトからの問い合わせや展示会、セミナーなど、様々な手段を使いリードを獲得します。(リードジェネレーション
しかし。せっかくリードを獲得したにもかかわらず、実は有効に活用できていない企業が思いのほか多く存在しています。

それは、営業現場のリソースが不足しているため、全てのリードに対してアプローチができないことが原因となっています。
また、せっかく初回訪問をしたとしても営業現場がその段階ではホットなリードではないと判断し、その後、営業フォローをしなかったために競合他社に奪われてしまうということが起こっているのです。

実はその場ではそこまでリードの関心度が高くなかったとしても、その後さまざまな情報に触れることで関心度が高まっている可能性があります。
特に現代ではインターネットの発達により、顧客側が様々な情報を自分で調べ情報を収集できます。
知らないうちにリード自身が情報収集を行い、知識を得て商品・サービスへの関心度が高まり、優良な見込み顧客に成長している可能性があるのです。
そしてホットなリードになったタイミングで適切にアプローチができなかったがために、競合他社に奪われてしまうということが発生し得るのです。

そのようなことを防ぐためには、継続的にこちらから情報を提供し、信頼感を高め、ホットなリードへと成長した段階で適切なアプローチができるようにする必要があります。

効果的なリードナーチャリングで営業効率アップ

リードナーチャリングが重要だということは理解されたかと思います。
しかし、実際には営業現場のリソースが不足しているので、なかなかそこまでの対応ができず場当たり的な活動になっている企業も多いのが現状です。

そこで、リードナーチャリングと営業活動とは分けて考える必要があります。

リードナーチャリングはメール配信やWebサイトなどのツールを使うことで効率化し、ホットなリードになった時点で営業部門がフォローするという体制づくりが大切です。
やみくもに訪問するのではなく、ホットになったリードに対してのみ営業活動を行うことで、少ないリソースでも効率的な営業活動ができ、成約率を高めることができるのです。

全てのリード・顧客に対して同じ活動をしてはいけないのです。
リード・顧客をグループに分けし、そのグループに合った活動をしなければ、営業コストがかかる割には成果が出にくく効率が悪くなってしまうのです。

まとめ

このようにインターネットが発達し、顧客が自分たちでどんどん情報を収集できる世の中では、継続的にアプローチし信頼関係を築きながら自社の商品・サービスの価値を伝えていくことが大切です。
特にBtoB企業においては、リードナーチャリングという考え方がとても重要になってきているのです。
リードとの関係性を強化し、営業効率を上げ、新規顧客を効率的に獲得し、売上拡大につなげていかなければならない時代なのです。

そして、効果的なリードナーチャリングを行うためには、IT技術やツールを利用する必要があります。
人では時間・コストがかかることも、ツールを使うことで短時間で効率よく実施できるので、生産性を向上させることができます。

それらのツールについては次回お伝えします。

リードナーチャリングのためのツール

リードジェネレーションとは?見込み客獲得の手法

BtoBビジネスはBtoCに比べ、顧客がその商品・サービスを購入するまでに時間がかかります。

たまたま道を歩いていたら看板を見て興味がわいたたので契約した、ということはまずあり得ないですよね。

BtoBで新規顧客を獲得するためには、いくつかの段階を経る必要があります。
まず潜在顧客を見込み客にし、そして顧客へと育てていくことが必要となります。

BtoBのマーケティング活動において、最初に実施するのは潜在顧客を見込み客にすることです。
このステップのことをリードジェネレーションと言います。
リードは「見込み客」のことです。

リードジェネレーションとは?

リードジェネレーションとは、簡単にいうと「見込み客獲得」のことです。

では、見込み客(リード)とは何かというと、「その商品・サービスに興味関心を持ち将来顧客になりうる人や企業」です。
そして、メールアドレスなどその見込み客(リード)と継続的にアプローチできる情報(名刺情報など)を得るための活動が、リードジェネレーションです。

なお、獲得した見込み客に対し、継続的にアプローチすることで関係を強化し、購買意識を高めるよう育成していくことをリードナーチャリングと言います。
リードナーチャリングについてはこちら

リードジェネレーションの手法

リードジェネレーションの手法にはさまざまのものがあります。
ここではアウトバウンド(プッシュ型)とインバウンド(プル型)に分けてご紹介します。

アウトバウンド(プッシュ型)のリードジェネレーション

企業側から潜在顧客に対して能動的にアプローチする手法です。
主な手法に以下のようなものがあります。

  • テレマーケティングによるアポ・情報取得
  • 展示会での名刺交換
  • セミナーへの申込み
  • ダイレクトメール(DM)による反応
  • 広告による反応

このように従来からBtoBではよく使われてきた手法が多いです。

インバウンド(プル型)のリードジェネレーション

こちらはWebサイトやブログ、SNSなどで有益な情報を発信し、潜在顧客に見つけてもらい情報を入力してもらうものです。
Webサイトへの集客力を上げることが重要となってきます。
情報入力してもらう方法は以下のようなものです。

  • Webサイトからの問い合わせ
  • 資料のダウンロード
  • ホワイトペーパーのダウンロード
  • メルマガの登録

このように顧客側からアクションしてもらうため、アウトバウンドよりもホットな見込み客(リード)を獲得しやすいと言えます。

インバウンドとアウトバウンドの組み合わせが大切

多くの企業では、インバウンドとアウトバウンドのどちらも大切です。

現代ではWebサイトを活用したインバウンドマーケティングの重要性が増してきているのは事実ですが、アウトバウンドマーケティングも重要なマーケティング活動です。
特にWebサイトの集客力が弱い、ノウハウがない企業にとっては、インバウンドだけではなく、アウトバウンドも組み合わせたリードジェネレーションが有効です。

インバウンドマーケティングは、費用をかけずにホットなリードを獲得しやすいです。
しかし、結果を出すためには、そのためには有益な情報(コンテンツ)を発信し、SEO対策等で検索上位に表示されて見つけやすくし、情報を入力してもらえるような仕掛けも必要となります。
そのため継続的に施策を打ち、長い目で見る必要があります。

一方のアウトバウンドマーケティングでは、比較的短期間で結果を出しやすいです。
ただし、費用が掛かることと、反応率が悪い、リードの質が悪いということもあり得ます。
また、押し売りのようなことをするのではなく、きちんと顧客に対して価値を提案し、関係を築くことが大切です。

このようにインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングはどちらがよいというものではありません。
企業の状況に合わせ、様々な施策を組み合わせることが大切なのです。

いいモノを作るだけでは売れないー伝えることが大切ー

「いいモノを作れば売れる」そう思っている人は多いと思います。

しかし、いいモノを作った「だけ」では絶対に売れません。
なぜかというと、顧客に知ってもらわないと買ってもらえないからです。

人は知らない物は買えないんです。

当たり前のことですね。

ですが、この当たり前のことを認識できていない企業が、実は多く存在しているのです。
特に技術力、開発力があると自信のあるメーカーでは、よくあることだったりします。

購買行動プロセスは知ること「認知」から始まる

上述の通り、どんなにいいモノであっても、知られてなければ買ってもらえません。
購買行動プロセスの最初は、知ること・認知から始まるのです。

ここで、購買行動プロセスのモデルについて簡単にご紹介しておきます。
有名な購買行動プロセスにはAIDMAの法則があります。
AIDMAは以下の頭文字となっています。

A:Attention(注意)
I:Interest(興味)
D:Desire(欲求)
M:Memory(記憶)
A:Action(行動)

なお、この5つのプロセスは、さらに認知段階、感情段階、行動段階の3つに分類されています。
それぞれの段階に対応するプロセスは以下となります。

認知段階:A(注意)
感情段階:I(興味)、D(欲求)、M(記憶)
行動段階:A(行動)

つまり、購買行動プロセスは認知から始まるということです。
なお、AIDMA以外にもAISASやAISCEASなどいろいろとありますが、全て最初はA(注意)・認知段階から始まります。

本当に当たり前のことですが、買ってもらうためには、まず知ってもらうことです。
そのためにはWebサイトや広告、展示会、メールなどで情報・メッセージを発信する必要があるのです。

価値を正しく伝えて興味を持ってもらう

情報・メッセージを発信して商品・サービスを知ってもらうのは重要ですが、ただ単に商品名やサービス名を知られればよいというものではありません。
その商品・サービスがどのようなものであるかを知ってもらい、興味関心を持ってもらう必要があります。
AIDMAでいうI(興味)、そしてD(欲求)に繋げる必要があります。

そのためには発信する情報・メッセージが顧客にとって魅力的でなければいけないわけです。

ここで注意しなければならないのは、売る側の視点で機能やスペックを発信してもダメだということです。
それは売る側の独りよがりなメッセージとなって、顧客にとっては「だから何?」というような内容となってしまいます。

そうではなく大切なのは、その商品・サービスが顧客にとってどのような「価値」があるかを伝えることです。
「価値」とは、顧客のニーズに応えること・課題を解決することです。

BtoBビジネスの例

例えば、営業管理システム(SFA)について考えてみましょう。

機能の説明:
このSFAは、顧客情報、案件情報を管理でき、データをグラフ化してみることができます。

価値提案:
このSFAでは、顧客情報、案件情報を全社的に共有できるので、知識や情報を共有化できます。また、営業プロセスを見える化できるので、どこにボトルネックがあるかを把握し、効果的な対策が打てるので、営業効率を上げ、売上向上につながります。

どちらがより顧客に訴求ができるかというと、後者ではないでしょうか。

また、自社の商品・サービスが提供する価値を顧客にとって分かりやすく、端的に伝えることが大切です。
専門用語や難解な言葉を使うのではなく、顧客にすぐ理解してもらえる表現にするべきなのです。

誰に伝えるのか?ターゲット顧客はだれか?

どのような価値があるかを伝えるためには、誰に伝えるのかというのも重要になってきます。
つまりターゲット顧客の設定も大切です。

なぜならターゲット顧客が誰か、どのようなニーズを持っているかによって、訴求する内容も変わってきます。
また、伝えるためのメディア・媒体も変わってくるのです。

ターゲット顧客の心に響く伝え方、メッセージにすることが大切です。

まとめ

どんなにいいモノでも、顧客に対して価値があり、その価値を伝えられなければ買ってもらえません。

「誰に対して」「どのような価値を」「どのように伝えるか」が重要なのです。

いいモノを作っているのであれば、その良さを分かってもらうために「伝える」ということもとても大切なことなのです。

 

自社の強みと弱みをどう分析するべきか

日本において、経営戦略やマーケティング戦略を考えるときによく使われるフレームワークにSWOT分析があります。

SWOTとは、SWOTは、Strengths:強み、Weaknesses:弱み、Opportunities:機会、Threats:脅威、それぞれの頭文字をとっています。
自社の内部環境(強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)を分析するものです。

最近では企業の戦略策定だけではなく、就職活動時の自己分析で使われるケースも増えているので、なじみのある方も多いと思います。

しかし、このSWOT分析を行うと、ほとんどの方が悩んでしまうことがあります。
それは、強み、弱みをどう分けるか、ということです。

具体的な例で見てみましょう。

企業規模が小さいことは弱みか?

例えば、私は以前、パッケージソフトウェアを開発販売している小規模なベンチャー企業に勤めていました。

では、そのベンチャー企業の「小規模」ということは、一般的には「弱み」と認識されます。
しかし本当にそうでしょうか?

確かに大企業に比べ、経営資源が少ないので「弱み」と考えられます。
しかし、意思決定が早くスピード感があるという意味では「強み」ともいえます。

大規模な仕組みや安定感という価値を求める顧客に対しては、小規模は「弱み」になるかもしれません。
しかし、フットワークが軽くて柔軟に対応してくれるという価値を望む顧客に対しては、小規模は「強み」になり得るわけです。

もう一つ、違うポイントも見てみましょう。

自社パッケージソフトの開発販売していることは、強みでしょうか?弱みでしょうか?
一般的に、自社オリジナルの製品があることは「強み」といえます。
しかし、「他社の製品を扱えない」という制約がつくため「弱み」となることもあります。

例えば、安くて使い勝手のいいパッケージ製品を探している顧客に対しては、「強み」になります。
しかし、自分たちの要望に合わせた柔軟な対応に価値を求める顧客に対しては、「弱み」にもなりえるのです。

強みと弱みは表裏一体

上記の例でお分かりだと思いますが、強みと弱みは表裏一体の関係なのです。
強みと思っていることは弱みにもなり、弱みと思っていることが強みにもなるのです。
視点、切り口にによって、どちらにもなり得るのです。

「小規模」「パッケージメーカー」というのは、あくまでも特徴でしかないのです。
それ自体では、「強み」とも「弱み」とも言えないのです。

そのため、経営戦略を立てようとSWOT分析を行ったとしても、その特徴を「強み」にすべきか「弱み」とすべきか悩んでしまうわけです。
なお、機会と脅威に関しても同様のことが言えます。

それでは、自社の強みを考える場合どうすればよいのでしょうか?

強みは顧客と競合によって決まる

では、どのような視点・切り口で強みを見つければよいのでしょうか?
それには2つのポイントがあります。

1つ目は自社が「誰に」対して、「どのような価値を提供」するかです。
つまりは、ターゲット顧客です。

2つ目は顧客が自社と、「誰と」を比較しているかです。
つまりは、競合他社との対比です。

「自社」では強みと思っていている点でも、「競合」のほうがその点で優れていると「顧客」が判断すればそれは強みではなく弱みになります。
「強み」とは顧客に対して、競合と比較された場合の、優位性・差別化ポイントなのです。

そして、「顧客」あるいは「競合」が変われば、強みも変わってくるということです。
3C分析の記事でも書きましたが顧客・競合・自社は密接に関係しているのです。

強みは提供する価値の差

強みを考えるうえで、もう一つ気を付けなければならないことがあります。
それは、強みとは機能やスペックの差ではなく、提供する価値の差だということです。

技術力のあるメーカーなどでは特にその罠に陥りがちなのですが、どうしても機能やスペックで勝負しようとしてしまいます。
しかし、顧客が求めているのは、機能やスペックではありません。
その商品・サービスが自社の課題をどのように解決してくれるのか、どのようにニーズを満たしてくれるのかという「価値」を求めているのです。

とても機能が充実しているシステムであったとしても、顧客企業がその機能を使い切れないのであれば価値はないのです。
もしかすると、余計な機能が付いている分、ユーザインタフェースが複雑で使い勝手が悪くなり逆にマイナスになってしまうこともあり得るのです。

したがって、自社の商品・サービスが顧客にとってどのような価値を提供できるかを見極め、その価値を提案することが重要なのです。

ぜひ自社の視点だけではなく「顧客」「競合」との関連性を把握し、自社の強み・優位性は何かを考えて、価値提案を行ってください。

「顧客」「競合」「自社」の関係についてはこちら

なぜターゲット絞る方が顧客数が増えるのか

前回、ターゲティングの重要性とセグメンテーションについてお伝えしました。

ターゲットを絞ることが重要だというと、「絞ると顧客が減ってしまう」と心配される方が多くいます。
しかし、正しくターゲットを絞ると、顧客は減らずに増えます。
逆にターゲットを絞らず万人受けを狙うと、顧客は減ってしまう可能性が高いのです。

それは、なぜか?
現代では物も情報も溢れており、顧客のニーズ・課題も多様化しています。
そんな中で「万人受け」するものなどあり得ないからです。

仮に「万人受け」を狙ったものは、結局ポイントがぼやけてしまいます。
そして、ターゲットを絞って専門化した競合に負ける可能性が高くなってしまうのです。

ランチで考えてみると

具体的な例として、ランチで考えてみましょう。

3C分析の記事でも書いたようにランチタイムでも、いろいろなニーズがあります。

例えば

  • ランチはさっさと終わらせたいという忙しいサラリーマン
  • 同僚とゆっくりおしゃれな雰囲気で食事したいと思う女性
  • 安くてお腹いっぱい食べたいと考えている学生

これらの人全員を満足させられることはできるでしょうか?

「うちの店は、和洋中何でもそろっていて、おいしくて安くて早くて量が多くて、でも店内の雰囲気はおしゃれでゆったりしています」

という店はあり得ないですよね。
さっさと立ち食いソバを食べるサラリーマンが集まる店が、ゆっくりおしゃれな雰囲気にはならないのです。

そして、近隣にある立ち食いソバ屋やおしゃれなイタリアンなどに、上記の顧客は取られてしまいます。

もう少し絞ってラーメン屋さんでは

ランチだと広すぎるということで、もう少し絞ってラーメン屋さんを考えてみましょう。

「老若男女問わず万人受けを狙うラーメン屋」と「ターゲットを絞った専門的なラーメン屋」で勝負した場合どうでしょう?
おそらく「万人受けを狙うラーメン屋」は勝てないでしょう。

独自性のあるラーメン二郎

ラーメン二郎はそのボリュームや味付けなど、かなり独自性のあるラーメン屋さんです。

ラーメン二郎のメインターゲットは、お腹を空かせた大食いの大学生です。
そのメインターゲットに合わせたボリューム、味付け、値段、店づくりとなっています。

そのため女性や家族連れなどは、ほとんど来店しないでしょう。
つまり、ターゲット以外の顧客は、ある意味捨てているのです。

しかし、ラーメン二郎は学生を中心とした顧客によって、連日長蛇の列ができています。
「ジロリアン」と呼ばれたり熱狂的なファンがいるほどです。

女性向けラーメン

逆に、女性向けのラーメン屋さんも最近増えてきています。

それらのお店ではヘルシーさやおしゃれな店舗づくりなどにより、他のラーメン屋さんには入りづらいと考えている女性顧客を獲得しています。
そしてラーメン二郎とは逆にボリュームを求める学生は、あまり入らないでしょう。

上記の例のようにターゲットを絞って、専門性、独自性を追求することで、そのターゲット層に強く訴えかけることができます。
そして、他店との明らかな差別化を図れるため、顧客を獲得することができるのです。

 BtoBでも同じこと

例えばWebサイト制作会社で考えてみましょう。

「うちの会社はお客様の要望に合わせてどんなWebサイトでも制作します!」

というのと、

「うちは飲食店専門のWebサイト制作会社です。飲食店ならではのニーズにお応えし、料理の写真を撮る専門のカメラマンもいて・・・」

といった2社がいたとします。
どちらの制作会社が飲食店のオーナーに響きやすいかというと、おそらくターゲットを絞り専門性を訴求した後者の方でしょう。
※飲食店専門というのはあくまでも例です。さらに絞る必要があるかもしれません。

大企業であればある程度「様々な顧客の要望にも合わせる」ことは可能かもしれません。
しかし、リソース(資源)の少ない中小企業では、全方位的な対応はまずできません。
そのため、ターゲットを絞り、そこに関しては大企業にも負けないノウハウを貯めることで顧客に選んでいただくことができるのです。

このように「広く浅く」でははなく、「狭く深く」攻めたほうが顧客の心に響く提案ができ、顧客を獲得できるのです。
そして、「狭く深く」追求したノウハウは、類似のターゲット層に横展開できる可能性も出てきます。
先ほどの飲食店の例でいえば、他の専門店を新たにターゲットにすることができるかもしれません。

まとめ

なぜターゲットを絞ることが顧客増加に繋がるのか。
そのまとめです。

  • 顧客のニーズは多様化しており、万人受けするものなどあり得ない
  • ターゲットを絞らないと、ターゲットを絞った専門性のある競合には勝てない
  • 狭く深く追求すれば、別のターゲット層にも横展開できる

ただし、ターゲティング(ターゲットの絞り方)を間違えないようにしなければなりません。
狭すぎてそもそもの母数(見込み客の全体数)が減ってしまったり、逆に広すぎて顧客に響く提案ができなかったりする可能性もあります。

企業の目的は収益を上げることですから、適切なターゲット層と見つけ出しましょう。
そのためにはまず自社の提供する価値を把握し、その価値に対して適正な対価を払ってくれる顧客を見つけることが重要です。

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