リードナーチャリングのためのツール

現代のBtoB企業におけるマーケティングでは、リードナーチャリング(見込み客育成)という考え方が重要となっています。

効果的なリードナーチャリングを行うためには、IT技術やツールを利用すべきです。
人では時間・コストがかかることも、ツールを使うことで短時間で効率よく実施できます。

リードナーチャリングに必要なものをいくつかご紹介します。

顧客管理・リード管理DB(CRM)

顧客への継続的なアプローチを行うためには、顧客管理・リード管理DBが必須です。
一般的にはCRM(Customer Relationship Management :顧客関係管理)とも呼ばれます。

顧客の企業名や氏名、メールアドレス、TEL番号などの名刺情報とともに、今までのコンタクト履歴や行動履歴を管理します。
そして、決められた切り口により顧客をグループ化することができるようになり、そのグループに対して適切な行動をとることができるようになります。

リードナーチャリングにおいては、顧客をグループに分類することがとても重要です。
では、どう分類するかというと、これは企業ごとに考えなければいけません。

過去の購買プロセスを分析し、どういうアクションを起こしたリードが購買に繋がりやすいかなどを見極めることが大切です。
そして、そのアクションをどうやれば起こさせることができるかを考え、アプローチすることで効果的なリードナーチャリングが実施できます。
なかなか自社の中だけでは分析ができない場合は、CRMを提供しているベンダーや専門のコンサルタントなどの外部の力を借りることも重要です。

メール配信システム

リードナーチャリングを効率的に行うには、メール配信は欠かせません。
メールだけでよいというわけではないのですが、やはり効率的にアプローチするにはメール配信やメルマガが有効です。

また、どのリード(見込み客)がメールを開封したか、リンクをクリックしたかなどを計測できるものもあります。
そのようなアクションを見ることでリードの状況を把握できるとともに、どのようなメールがより開封されやすく、クリックされやすいかを分析することができます。

少なくともURLリンクのクリック数に関しては、Google Analyticsのような無料ツールでも計測可能なので、対応されることをおすすめします。
ただし、個々のリードのクリック状況を計測しようとすると、Google Analyticsでは運用がたいへんなので、専用ツールを導入したほうがよいです。

なお、メール配信での注意点としては、そのメールの内容が単なる売り込みになってはいけないということです。
単なる売込みメールは、受け取る側にすると迷惑メールとかわらなくなる危険性があります。
リードにとって役に立つ情報を発信することで、信頼関係を高め、商品・サービスの良さを感じてもらうようにすることが重要なのです。

Webサイトのアクセス解析

Webサイトのアクセス履歴や行動履歴は重要な情報です。
Google Analyticsのような無料ツールでは、個々の動きを見ることは難しいですが、少なくともどのページが見られているか、どのページから申込みに至るケースが多いかなど、Webサイトの全体的な動きを把握することが可能です。

そして、Webサイトの改善ポイントなどを見つけて、改善することでよりリード(見込顧客)に対して有益な情報提供が可能となります。

また、専用のツールを導入することで個々のリードの動きを把握することも可能となります。
そして自動的に顧客をグループに分類し、次の適切なアプローチへと繋げることもできます。
例えば、「このリードは料金表まで見ているからホットなリードに違いない。アポを取ろうう」というようなことが可能となります。

マーケティングオートメーション(MA)

IT技術は進化しており、このようなリードナーチャリングの仕組みを統合的に利用できるツールも出てきています。

それはマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれるものです。

マーケティングオートメーションとは、個々のリードの行動履歴や状況に合わせて、どのようなタイミングで・どのような内容を・どのような方法でアプローチするかを個別にあらかじめシナリオ化し、その対応の実行を自動化する仕組みです。
マーケティングオートメーションの主な機能は以下のようなものです。

  • リード情報管理
  • リードの行動履歴の蓄積
  • 行動履歴にもとづいたリードのセグメント化(グループ分け)
  • シナリオ化によるセグメントにあわせたキャンペーン活動(メール配信など)の自動化
  • キャンペーン活動の結果分析

しかし、マーケティングオートメーションはあくまでもツールでしかありません。
このツールを有効に活用できるかは、どのようにリードをグループ分けするか、シナリオをうまく作成できるか、そして結果にもとづいたPDCAサイクルを回せるかがキーになってきます。

まとめ

ここでご紹介したどのツールも、あくまでもツールでしかありません。
ツールを入れて満足するのではなく、結果に繋げなければ意味がありません。

リードナーチャリングをいかに効率的に効果的に行い、売上増加に繋げるかは、マーケティング戦略が大切です。

どのような顧客をターゲットにするか、そのためにはどこでどのようにリード情報を集めるか、そのリードをどうセグメント化するか、そしてそのセグメントにどのような情報を発信していくか、そして何よりどのような価値を提供するかなど、一貫性のある戦略・戦術をたてることがとても重要です。

もちろんいきなり完璧にこなすことはできません。
PDCAを回し、改善を繰り返しながら実績に繋げることが大切です。

野村 昌平

野村 昌平

中小企業診断士/ウェブ解析士/VEスペシャリスト
/一般社団法人データマーケティングラボラトリー理事
「企業に選ばれる個人事業者を育成する」というミッションを掲げて活動中。

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