「いいモノを作れば売れる」そう思っている人は多いと思います。
しかし、いいモノを作った「だけ」では絶対に売れません。
なぜかというと、顧客に知ってもらわないと買ってもらえないからです。
人は知らない物は買えないんです。
当たり前のことですね。
ですが、この当たり前のことを認識できていない企業が、実は多く存在しているのです。
特に技術力、開発力があると自信のあるメーカーでは、よくあることだったりします。
購買行動プロセスは知ること「認知」から始まる
上述の通り、どんなにいいモノであっても、知られてなければ買ってもらえません。
購買行動プロセスの最初は、知ること・認知から始まるのです。
ここで、購買行動プロセスのモデルについて簡単にご紹介しておきます。
有名な購買行動プロセスにはAIDMAの法則があります。
AIDMAは以下の頭文字となっています。
A:Attention(注意)
I:Interest(興味)
D:Desire(欲求)
M:Memory(記憶)
A:Action(行動)
なお、この5つのプロセスは、さらに認知段階、感情段階、行動段階の3つに分類されています。
それぞれの段階に対応するプロセスは以下となります。
認知段階:A(注意)
感情段階:I(興味)、D(欲求)、M(記憶)
行動段階:A(行動)
つまり、購買行動プロセスは認知から始まるということです。
なお、AIDMA以外にもAISASやAISCEASなどいろいろとありますが、全て最初はA(注意)・認知段階から始まります。
本当に当たり前のことですが、買ってもらうためには、まず知ってもらうことです。
そのためにはWebサイトや広告、展示会、メールなどで情報・メッセージを発信する必要があるのです。
価値を正しく伝えて興味を持ってもらう
情報・メッセージを発信して商品・サービスを知ってもらうのは重要ですが、ただ単に商品名やサービス名を知られればよいというものではありません。
その商品・サービスがどのようなものであるかを知ってもらい、興味関心を持ってもらう必要があります。
AIDMAでいうI(興味)、そしてD(欲求)に繋げる必要があります。
そのためには発信する情報・メッセージが顧客にとって魅力的でなければいけないわけです。
ここで注意しなければならないのは、売る側の視点で機能やスペックを発信してもダメだということです。
それは売る側の独りよがりなメッセージとなって、顧客にとっては「だから何?」というような内容となってしまいます。
そうではなく大切なのは、その商品・サービスが顧客にとってどのような「価値」があるかを伝えることです。
「価値」とは、顧客のニーズに応えること・課題を解決することです。
BtoBビジネスの例
例えば、営業管理システム(SFA)について考えてみましょう。
機能の説明:
このSFAは、顧客情報、案件情報を管理でき、データをグラフ化してみることができます。
価値提案:
このSFAでは、顧客情報、案件情報を全社的に共有できるので、知識や情報を共有化できます。また、営業プロセスを見える化できるので、どこにボトルネックがあるかを把握し、効果的な対策が打てるので、営業効率を上げ、売上向上につながります。
どちらがより顧客に訴求ができるかというと、後者ではないでしょうか。
また、自社の商品・サービスが提供する価値を顧客にとって分かりやすく、端的に伝えることが大切です。
専門用語や難解な言葉を使うのではなく、顧客にすぐ理解してもらえる表現にするべきなのです。
誰に伝えるのか?ターゲット顧客はだれか?
どのような価値があるかを伝えるためには、誰に伝えるのかというのも重要になってきます。
つまりターゲット顧客の設定も大切です。
なぜならターゲット顧客が誰か、どのようなニーズを持っているかによって、訴求する内容も変わってきます。
また、伝えるためのメディア・媒体も変わってくるのです。
ターゲット顧客の心に響く伝え方、メッセージにすることが大切です。
まとめ
どんなにいいモノでも、顧客に対して価値があり、その価値を伝えられなければ買ってもらえません。
「誰に対して」「どのような価値を」「どのように伝えるか」が重要なのです。
いいモノを作っているのであれば、その良さを分かってもらうために「伝える」ということもとても大切なことなのです。