企業が収益を上げる、儲けるためには、提供する価値を向上させなければなりません。
なぜなら、顧客は商品・サービスそのものではなく、それがもたらす価値に対価を払っているからです。
パソコンを買うのは四角い箱が欲しいのではなく、
メールで連絡を取ったり、
情報を調べたり、
資料を簡単に作成したり、
とパソコンを使うことによって得られる価値を求めているのです。
したがって、売上を上げるためには物を売るのではなく価値を提供することが重要になってきます。
そして、その価値を提案すること(バリュープロポジション)こそが大切なのです。
つまり、顧客に対して提供できる価値を向上させることができれば、より儲けることができるということです。
だからこそ、顧客に提供する価値を向上させることが、企業にとっては最重要事項となるのです。
価値を向上させるのは機能だけではない
では、提供する価値を向上させるにはどうすればよいでしょうか?
パッと頭に浮かぶのは、その商品の機能を強化することかもしれません。
もちろん機能を強化できれば、価値を向上させられる可能性は高いです。
しかし、価値を向上させるものは機能だけではないのです。
機能、スペックで比較しやすいものでいうと、ノートパソコンがあげられます。
CPUやメモリ、ディスプレイの大きさや重さなど、数値で比較できる要素が多くあります。
しかし、パソコンを購入する際、そのようなスペックだけで選ぶわけではありません。
例えばデザインも選ぶ際の重要な判断基準になりえます。
つまり見た目で価値が変わるのです。
また、名前も知らないようなメーカーの製品と、有名なブランドではお客様が感じる価値は変わります。
そこには、安心感やそのブランドに対する愛着など、スペック以外の要素が絡んできます。
また、企業がノートパソコンを購入するのであれば、さらに条件が増えてます。
これまでの取引実績や業者との信頼関係、サポート体制など、より複雑な要素が絡んでくるのです。
このように価値を決める要素は、機能と価格だけではないのです。
売り方でも価値は変わる
また、提供する価値は売り方によっても大きく変わります。
もし、人にとっての価値が物だけなのであれば、まったく同じ物は一番安く売っている店で買うはずです。
しかし、多くの人がコンビニで商品を買っています。
コンビニは決してその商品を最も安く買える場所ではない、にもかかわらずです。
なぜ、同じ商品が他の店舗で安く売られているにもかかわらず、コンビニで買うのでしょうか?
コンビニが提供する価値
来店客それぞれの価値基準によって、その理由はいろいろです。
「夜中でも開いているから」(時間的な価値)
「帰り道にあるから」(位置的な価値)
などが、まず考えられます。
それらも大きな要因ですが、開店時間や場所という物理的な条件のみでもないのです。
コンビニでカップラーメンを買う理由
例えば、昼食用にカップラーメンを買うとします。
コンビニでは180円で売られていて、すぐ近くのスーパーで同じカップラーメンが130円で売られています。
50円も差があるので、価格だけでいえばスーパーで買った方がお得です。
それでも、コンビニで買うケースがあります。
コンビニでは、その場でカップラーメンにお湯を入れることができます。
これが理由となってコンビニで買うこともあります。
顧客はカップラーメン自体が欲しいのではなく、食べて空腹を満たし、満足感を得られるという価値に対価を払っているのです。
そして、食べるためには、まずカップラーメンにお湯を入れて3分待つ必要があります。
例えば、オフィスに給湯室がなくてお湯が手に入らない人は、スーパーでカップラーメンを買っても食べられないわけです。
であれば、ちょっと価格高くてもすぐにお湯を入れられるコンビニで買った方が、その人にとっては価値が高いのです。
最近ではイートインコーナーを設け、その場で食べられるコンビニも増えてきました。
カップラーメンにお湯を入れて、その場で食べられると便利です。
このイートインコーナーについても、お客様が次に行う行為を手助けすることで、価値を高めています。
まとめ
このように、商品を購入したお客様がどのような使い方をするのかに頭をめぐらし、次の行動を手助けする、より使いやすくすることでも価値を向上させられます。
そして、受け取れる対価、つまりは顧客単価を上げることができるのです。
価格競争に陥って、利益が出ないと悩む企業は多いです。
そのような時は、自分たちが売っている物、ではなく提供している価値は何なのかを突き詰めて考えてみるとよいです。
そうすると、今まで気づかなかった切り口でのアイデアが出てきやすくなるのではないでしょうか?